コンサルタントコラム

「採用力」が経営を制す


パートナー 山本 陽二

 「労働力人口の減少」は現時点では避けようのない事実であります。また既に近年の採用環境では売り手市場傾向であり、採用担当者は採用目標の達成に日々苦慮されているかと思います。また折角採用しても、大卒新規採用者は3年で3割が退職する等とも言われており、その御苦労が水の泡と化してしまうことが起きています。

 さて私もこれまで数多くの面接をこなしてきました。新卒から経営幹部までとその幅は広く様々なパーソナリティの方とお会いしてきました。それ故失敗も数多くありました。新卒採用ではエントリーが思わしくなく、肝心の母集団が思ったほど集まらず、結果採用予定数に達しなかったこと、中途採用では漸く決まったピンポイント人材が実はメンタル不全であり一日も出社できなかったこと等々、あげればきりがありません。

 私が特に面接で重視するのが、その方の真のパーソナリティに触れることです。どのような個性(性格や思考等)を持ち合わせていて、それが求める人材(職務)とマッチしているかを見極めたいと考えています。特に中途採用はビジネスの世界でキャリアを積み重ねて場慣れされている中で、本音と建て前を僅かな時間で見抜かなければなりません。そのためのルーティンとなる自分なりの質問を作ったりもしました。

 また以前在籍していた外資系医療機器会社の営業職採用面接では、経験や実績よりも志望動機を一番重視していました。やはり医療を目指す限りにおいては、「患者さんのお役に立ちたい!」とか「医師にはなれないけれど医療関係に携わりたい!」といった強い志が必要です。面接ではその志が真実かどうかを見ていました。何故ならこの志は、営業の原動力となる言わばコアの部分だからです。この利他的なパーソナリティに裏打ちされた志がないと、医療機器の営業は長続きしないと信じていました。

 「自分のパーソナリティと合致した職務環境にいる人はそうでない人よりも、満足感が強く、自発的に職場を辞める可能性が少ない。」(出典:「組織行動のマネジメント」ダイヤモンド社)とあり、特に採用の際には気を付けておきたい選考ポイントです。改めて採用時の面接でパーソナリティと職務環境のマッチングの確認を優先することをお勧めします。

 採用環境は益々厳しくなっていきます。入社のタイミングや数重視の採用は一時的には充足するものの、結果的にはコスト等の負担増に繋がりかねません。まさにリテンションへの第一歩目は採用力に関わっていると言えます。いやもっと言うと企業の存続はこの採用力に関わっているといっても言い過ぎではないと感じています。

 

 

 

執筆者紹介

パートナー

山本 陽二 やまもと ようじ

事業内容を十分把握し、経営方針や企業風土を踏まえた上で、公平で一貫性のある視点でのワンストップ人事コンサルティングの提供を心がけている。

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