ミスマッチを防ぐ採用手法のご紹介(リファラル/アルムナイ)
シニアマネジャー 矢田 瑛
昨今の深刻な人手不足により、多くの企業では採用に苦慮されていることかと思います。
やっと採用できたかと思えば、期待どおりの人材ではなかったと、ミスマッチが生じているケースも増えてきているのではないでしょうか。
このミスマッチを防ぐ一つの手法として、近年、リファラル採用とアルムナイ制度が一層注目を浴びているところです。
それぞれについて以下で簡単にご紹介いたします。
■リファラル採用(referral=紹介、推薦)
いわゆる社員紹介制度のことで、自社の社員に自身の知人等を紹介してもらう採用手法になります。
会社によっては紹介者に対して報奨金を支給しているケースも少なくありません。
会社側のメリットとしては主に次のようなものが挙げられます。
1)通常の採用過程では視えづらい人間性なども、社員伝いに知ることができる
2)入社後も紹介者がメンター的な役割を果たし、定着に繋がりやすい
3)採用コストが大幅に削減できる
上記のほか、本制度が根付いてくると、社員の中で知人を紹介できるだけの魅力ある会社にしていこうという意識や連帯感も生まれてくるかもしれません。
また、紹介される方も、紹介者から会社について生の声が聴けるため、認識の齟齬が生じにくく、入社後の不安の低減にも一役買うでしょう。
■アルムナイ制度(alumni=卒業生、同窓生)
「カムバック制度」とも呼ばれるもので、過去に自社を退職した社員の再雇用を後押しする採用手法になります(いわゆる出戻り)。
一般的には、一定年数以上在籍していたことやネガティブな退職理由でないことなどを要件としているケースが多く、育児・介護や配偶者の転勤を理由とする退職などを中心に広く行われています。
会社側のメリットとしては主に次のようなものが挙げられます。
1)元社員であるため、パフォーマンスや人間性が推測できる
2)会社の仕組みについても知っているため、即戦力として期待できる
3)採用・教育コストが大幅に削減できる
上記に加えて、退職した後も退職者とのコミュニティを構築しておくと、営業やイノベーションの機会形成としての役割も期待されます。
また、事前に制度を周知しておくことで、十分でない業務の引継ぎや、近年インターネット上でみられる退職後に会社を誹謗中傷するような書き込みなどを抑制する作用もあるかもしれません。
上記ではプラスの面だけをご紹介しましたが、マイナスの影響がでてくる可能性が全くないわけではありません。
ただ、目の前で人手不足によって会社運営に支障が生じているのであれば、採用のチャネルを増やす意味でも、前向きに導入を検討してみてもよいのではないでしょうか。